愛羅武勇×総長様 Ⅱ
-遼side-
「おいおい、お前大丈夫かよ?」
「大丈夫じゃねー…」
「相当だな。何お前、そろそろ末期?」
「………そうかも。」
火照った顔を、自分の手で仰いで冷ます。
「何あの子、いつの間にあんなに可愛くなったの!?」
「お前オッサンみたいだぜ。」
「おう、もう何でもいいわ。」
呆れる槙をよそに、美憂の方をチラッと見る。
大人しくヘルメットを被って、槙のバイクに座ってる。足をぶらぶらさせながら。
「ほらっ!何か最近一々可愛いんだって!どうしよう、俺重症かな!?」
ああいう姿を見ても、可愛いとしか思えなくなってきた。
「……………相当な。」
「だよな……」
「まぁいいや。美憂待ってるし、寒いから早く帰ろうぜ。」
「おう……」
異常なほどに跳ね上がる心臓を無理矢理沈めながら、美憂の方へ歩き出した。