愛羅武勇×総長様 Ⅱ
「わーーっ」って叫びながら逃げていく小学生。
水風船は俺と槙の顔面にクリーンヒット。
「…っ……クソガキ…」
そう言った瞬間、チビッコの顔が強張っていく。
「おいっ、待てーーっ!」
キャーキャー言いながら逃げ回る小学生を、俺が追いかけ回す。
「わーっ!こっちに来たぞ!」
「助けてー!」
「捕まえた…っ」
1番後ろを走っていた女の子を捕まえた。
「わっ…!」
「はい、お遊びはおしまい。こっち向きなさい。」
女の子が捕まったことを知って、引き返してくる男の子2人。
「ちーを離せ!不良め!」
「ちー?」
あぁ、この子「ちー」って呼ばれてんのか。
「ってかさー、お前らが悪いんだぞ? 見て、俺の顔。ビショビショ。」
「ごめんなさい…」
俺が捕まえてる女の子がショボンとした顔で謝った。
「ちーは偉いね、素直な子は可愛いからモテるぞー」
笑って頭を撫でてやると、嬉しそうな顔をして抱きついてきた。
「名前は?なんて言うの?」