愛羅武勇×総長様 Ⅱ
「三谷千夏(ミタニチナツ)ってゆうのっ!ちーって呼んでね!」
と言って、また再び抱きついてきた。
「お兄ちゃんの名前は?」
「俺は成瀬遼。あっちの2人は?」
「髪が少し茶色いのが、藤崎翼(フジサキヨク)ってゆう、あたしの隣の家に住んでるやつ!」
「やつって…」
「もう1人は、翼の友達だから知らない。」
「そっか。」
ちょっと離れた所で、ちーと俺をジーッと見ている翼って子。
「2人ともこっち来いよー」
「翼ぅー、大丈夫みたいだよっ、おいでー!」
ちーがそう叫ぶと、翼とその友達はゆっくり近付いてきた。
「初めまして、俺成瀬遼。よろしくな。」
「……俺、翼。」
「翼って珍しい名前だよな。
ってか何、みんな同い年?」
「あたしが翼の1つ下だよっ、2年生!」
「俺3年生!で、こいつは俺のいとこ!」
へぇー…そんな繋がりか…。
ちーのマシンガントークを聞いていると、呆れた槙に呼ばれた。
「遼ー、行くぞー。」
「おー、分かった!」
ゆっくり立ち上がった。
「帰るの?」
「うん、また遊びに来るから。」