愛羅武勇×総長様 Ⅱ
「そっかっ!じゃあ遼バイバーイ!」
ピョンピョン跳ねながら、大きく手を振るちー。可愛いなぁ、もう。
ちーを見てると、何故か美憂と被って見えた。
「可愛い……」
何だ、雰囲気か?
手を振りかえすと、喜んで益々飛び跳ねる、ちー。
「遼、顔がさみぃんだよ。さっさとしろっ」
「お、わりーな、チビッコが結構可愛くて」
「はいはい、分かったから。早く行こーぜ。」
「おうっ」
そして歩き出そうとしたとき、槙がピタリと止まって振り向く。
俺も同じように、振り向いた。
「つーか…」
「お前は何だよ。」
「えっ?何が?」
作った笑顔で聞いてくる光紀。
「寒いんだろ?早く入ろうぜ。」
「うわっ。何様だよ、お前」
とか言いつつ、鍵穴に鍵を差し込む槙。
「今日おばさんいねーの?」
「今日は親戚の家行ってんだよ。毎年俺も行くんだけどさ、今年は行ける状態じゃなかったし。」
「だよなー。つーかさ、寒いから暖房つけようぜ。」
何故か光紀が1番最初に家に入っていく。
「光紀、ここ俺ん家。」
「知ってるよ、海崎って表札に書いてんじゃん。」
こいつ…遠慮ねぇな。
「光紀、お前何しに来たんだよ。」
家に入りながら光紀に聞く。
「暇だったし。」
その答えに、俺も槙も呆れた。