愛羅武勇×総長様 Ⅱ
「で、話は?」
「話…?」
「後で話聞いてやるって言っただろ。何だよ、話すことねぇの?」
「あぁ、話っつーか…相談っつーか…」
俺が告っても告らなくても、結局今の状況に変化はないと思うし…
「まぁ、好きなようにすれば?相手は大智だし…勝ち目はねぇだろうけど。」
「だよな。」
1人でも敵に突っ込むようなやつだし。
「ただ強くて総長やってるようなやつだったら良かったのにな…」
「根は優しいやつだから、いつも他人優先だもんな。」
「あいつは人一倍苦労してんだよ。だから、今の幸せを壊さないでやってほしい。」
「大丈夫だよ。俺なんかじゃ壊せねぇから。」
壊せるわけない。
昔から、大智に対する先輩や先生からの風当たりが強かった。
高校の時は、俺が金髪にしちゃったわけだし…罪悪感ありまくりで…
中学の時、目つきが悪かったことが原因"で生意気"って言われて先輩から睨まれてた。
「中学の時の先輩、あれ理不尽だったよなー…」
「あぁ、あの変な不良?」
「おう、窓ガラス割って大智を犯人にでっち上げたってやつ。」
俺らが中2の頃。
変な先輩がいて、大智をスッゴく嫌っていた。
しかも1人じゃなく、多人数だからすっげぇ厄介。
「大智ダメージ0だったけどな。あの時の先輩の顔は笑えた」
「俺もあれは笑ったわー。…つーかさ、俺らどんだけ大智好きなんだよって話だな。」
「っは?」
「え?」
何言ってんの、こいつ?