愛羅武勇×総長様 Ⅱ
安田慶太が追いかけられてるのを見て、腹を抱えて笑っている。
え、助けに行ったんじゃなかったっけ?
しばらく見ていると、やっと斉藤君は動きだした。
「あんなとこで喧嘩したらめんどくさいことになりそうだけどな。」
槙が苦笑いしながら、斉藤君を指差した。
新学期早々喧嘩なんてことになったら……
確実に生徒指導室行き。
斉藤君に反省文なんて書けるはずがないわけだし。
斎藤君は走り出したかと思えば、安田君の腕を掴んで、校庭から出ていってしまった。
安田君は慌てふためいたまま、抵抗せずに連れて行かれる。
「ははっ、あいつら出て行ったよ。もう戻ってこねぇな。」
槙が呆れて笑った。
「何あいつらっ!どこのドラマだよ!」
遼は爆笑。
腹を抱えて、笑い出した。
「遼笑いすぎ!」
一応注意するが、あたし自身も笑っているから説得力がない。
ほんと、どこのドラマのラブシーンよ。