愛羅武勇×総長様 Ⅱ
大ちゃんを見た途端にお母さんの動きがピタリと停止した。
「初めまして、神岡大智です。美憂さんとお付き合いさせてもらってます。」
「あ、はい……どうぞ、入って。」
お母さんの動きがぎこちない。
リビングへのドアを開けると、お父さんがソファーに座って、新聞を読んでいた。
目をこっちに向ける。
「………え…」
お父さんまでもが固まってしまった。
お母さんと同じように。
「おーい…お父さーん。」
「そ、そちらは?」
戸惑いながらも、あたしに聞くお父さん。
新聞をたたんで立ち上がった。
「あたしの彼氏。」
「初めまして、神岡大智です。」
お母さんに言ったのと同じように言葉を発し、礼をした。
「あ、ホストじゃないからね? 勘違いしないでよ?」
「あ、あぁ、そうか。」
お父さんが、向かい側のイスに「座りなさい。」と言った。