おん、ありがとな。



 したら全員ぽかん、や。まぁ考えもせんし思い付かんことやからなぁ。私もやねんけど。ほんなら原本くんが代表して聞きはった。


「金ないって 何に必要なん」

 国仲くんが何故か笑顔んなる。晴花さんといい国仲くんといい困ったら笑うねんな。せやけど晴花さんと国仲くんは程度の違う困惑やった。

「…自分何処で全国やりよるか知っとるか?青森やで、あーおーもーり。ここどこやねん、大阪や」

「はぁ!?」

「青森!?」

「全国て東京ちゃうん!?青森って遠っ!え、ちょお遠ない!?林檎食ってる場合ちゃうわ!」

「もーウチここが大阪てことしか判らんわ!」

「そら遠いわなぁ」



「せやで?しかもなぁ、学校側は金よう出さんのやと。」

 ほんで国仲くんの言葉に苑田くんが首を傾げる。

「何でなん?」

 ──多分これ、禁句やったんや。国仲くんの顔固まっててんもん。あんなに判りづらい国仲くんが。

「…知らんわ」

 吐き捨てるみたいに、そっぽ向いてもうた。



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