おん、ありがとな。

scene 3



「さて、働くど!」

 バサバサ、苑田くんが集めてきた(スイッチ入ってもうたから)求人広告を広げる。今私ら6人はパソコン室におる。臭ない?パソコン室て。

「せやけどなぁ…言うても高校生なんあんま優遇されんねんでー?」

「…まぁなあ」

 私は正直言うてバイト事情には詳しない。せやけど、今就職難やってことくらいは知っとって、国仲くんはまだしも私ら8人が全員働くのは難しいんやろなって思っとった。

「ほんでもまあ、一人一人個性っちゅうんもあるしなー?取り敢えず調べよや!」

「せやな、まず栞二」

 原本くんがいきなり国仲くんにご指名されて、パソコンに食いついたまま手挙げた。

「お前がいっちゃん危ない」

「は!?何でやねん!」

「まず宮前に悟られそうや。とにかく宮前が来やんとこで働かな。ちゅーか、彼奴には言わんでや、宮前には、ほんまに」

 あーせや蛍がおったー!て原本くんが叫んで突っ伏した。確かに危ないわ。

「いや、せやけどあんまし俺蛍の行動範囲知らんねん」

 苑田くん挙手。

「まーファンシーショップには行かんやろな」

「や、それ俺が働くん嫌やわ」

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