おん、ありがとな。

「時間は空いとるよ、何なん、言いたいことって」

 晴花さんがむっちゃ笑顔になった。せやけど理由判らんから気持ちを共有でけへんかった。堪忍なぁ、晴花さん。

「知らん!」


 知らんのかい。
 さっきのあの笑顔は何やったんやろな、無邪気に「知らん」言った晴花さんはもう教室から出ていってしまった。

「あー、英依にも言っといてやぁ!部倉庫前な!」



 ぴしゃん。

 あぁ晴花さん行ってもうた。

 それにしても気になるわ、国仲くんが言いたいこと。放課後まで…いや、次の部活のある明日まで待てへんのやろか。国仲くんはいつも余裕やからな、ちょお焦っとんのが珍しいねん。


「あ、英依さん、晴花さんに会わんかった?」

 丁度英依さん帰って(トイレからな)来たから聞いてみたら「せやねん!何や弓に聞いてやー言うて駆けてったわ」て言っとった。


 そそっかしなぁ。部員なんみんなあわせて8人しか居らんねんで?

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