綾×綾。~空回りな恋~
ピピピー。
ウィーン、ガッ、ピッ。
ゲーセンなんて久しぶりだなぁ。
それにしてもうるさっ。
「あや、プリでも撮るか?」
「え、いいの?」
「なに、遠慮ぶってんだよ! 行くぞっ!」
ぐいっと手をひっぱる。
「わぁっ!」
転びそうになった。
「ドジ~。」
そう言ってケラケラ笑うりょう。
かわいい。
毎日見てたいよ。
『好きなフレームを選んでね。』
プリの機械からの声を聞き、ボタンを押して行くりょう。
あたし、あんましプリとってないからやり方慣れてないの知ってたんだぁ。
こんな気遣い、嬉しいなぁ。
「撮るぞっ。」
りょうが肩を引き寄せる。
「きゃっ!」
パシャッ
「もっと笑えよぉ~。」
「びっくりしたんだもん。」
「ぁあ、肩? ごめんな。」
「いいよ、別に・・・。」
「よしっ!次はぁ・・・・・・やっぱ言わね。」
「ぇ~! 何それ~?」
「とにかく、次!」
『はいチーズ!』
ぐいっ。
パシャッ
ちゅっ。
え・・・。
今のキスプリ・・・。
「ぃえ~い。」
りょうがVサインを出す。
顔が熱くなる。
「もぅ、りょうのバカ。」
「やったぁ。」
全部のフレームを撮り終えてつぶやくりょう。
子供みたいな笑顔。
かわいすぎ。
「はい、半分。」
「ありがと。」