綾×綾。~空回りな恋~
こうやって、手で涙拭ってくれるのは、あの優しいりょうだ。
「あや・・・・。」
!?
りょうが・・・・・あたしの名前呼んでくれた。
まぢ嬉しいよ、りょう。
そして、次第にりょうの唇が近付く。
ちゅっ。
キスしてくれた。
なんでだろ?
涙が止まらないよぉ。
別れてたくないよぉ。
そう思ってる自分がいる。
「俺・・・・今、お前と・・・・・キ・・ス・・・・しちまったのか?」
「自分からしたんじゃん。」
あやはうれしさのあまり、つい生意気な事を言ってしまった。
「そっか・・・・・。」
意味深に言う。
「でも、俺の意思じゃねぇ気がする・・・・ きっと俺の中の本当の俺が・・・・やれって言ったんだ。」
そっか。
じゃあ、まだ頭の中にはいるんだね。
でも、あたしは別れなきゃいけないんだ。
これでいいんだよね?
「あたし・・・・・帰る。」
「おう。 またどこかでなっ!」
そんなこというりょうが見てられなくて走って出た。
さよなら、りょう。
また・・・・・・どこかでね・・・・・。