綾×綾。~空回りな恋~
「そんな、泣かないでよ。」
泡まみれのあやを優しく撫でる智貴くん。
なぜか、心が癒される。
「智貴くん、あたし・・・・何も知らなくてごめんね?」
智貴くんは何も言わず首を振る。
智貴くんも優しい人なんだね・・・・・りょうみたいに・・・・。
「あやちゃん、俺、恋・・・・・してもいいかな? 」
「ん? 誰に?? 」
頭を上げて聞いてみた。
その途端、
唇が
重なった。
「君に・・・。」
顔を赤くしながら言う智貴くん。
このあたしに・・・・・
恋!?
智貴くん、ごめんね。
それは無理だよ。
あたしは智貴くんの支えになれない。
しかも、まだあたしの心の奥には・・・・『りょう』っていう存在が忘れられないの。
本当にごめんなさい。