綾×綾。~空回りな恋~
「うん。」
あやはコクリとうなずく。
「まぢかよぉー!! 俺、今、先に話さなくてよかったぁ!!! 」
「へ? 何言おうとしてたの?」
「え? いや、実は、もう諦めようかと思ってたんです。」
智貴くんは、夜景を見ている。
そのそばにあやが近寄る。
「でも! 俺の初恋が叶ったってめっちゃ嬉しいんですけどっ!! 」
そう言って、ハニかむ智貴くん。
そんな、ささいな行動がかわいい。
「まぢで、まぢで!! ありがと!!!」
言った途端、あやの肩を引き寄せ抱き締めた。
「きゃ!」
ぱっ。
手が・・・・離れた。
「ご、ごめん。つい、有り余っちまって。」
智貴くんは、あたしの一言で抱き締めてた手を離しちゃうんだね。
やっぱり、初めて惚れた人には大事にするんだね。
初恋って・・・・・初々しいな。
しかも、その相手があたしなんて、幸運だね。