綾×綾。~空回りな恋~
「あー。」
智貴はホームランねらって頑張っている。
あやはずっと見守ってるだけ・・・・・。
まだかなーホームラン・・・・・。
そんなことを思いながらも彼の背中をずっと見てた。
カキーン!!!!
なんと爽やかな音がしたと思ったら、智貴がこっちに向かって走ってきた。
「わー!!! 危ないー!」
あやはすかさず身をかがめた。
「あやー!!! ホームランだよ!!!!! やったぁ!!!! ぜぇー!!」
わざとらしく語尾に『ぜぇー』をいれる智貴。
かわいい。
なんて、あたしがもっとかわいいって言ってもらいたいのに・・・・・。
「よかったぁ。」
溜め息まじりに言ったあや。
それを見て、
「あ、ごめんね? 疲れただろ?」
智貴は、ベンチの隣りに座って頭を撫でた。
「うん、すっごく疲れた。」
あー、あたし何言っちゃってんだろー。
ばかだ。智貴を傷つけるだけなのに・・・・。
「まぢ、ごめんなー!!」
そう言って、あやを抱き締めた。
こんなとこで大胆だよ。
でも、居心地が良かった。