綾×綾。~空回りな恋~
トボトボとあたしは来た道を帰る。
はぁ、今日はお母さんたちに沢山お礼いわなきゃ!!
そう思いながら歩いてると・・・。
向こうから見たことのあるあの人が歩いて来る。
「・・・・―りょう・・・・・?」
あたしは驚きでそこに棒立ちになってしまった。
やっぱりりょうだ。
間違いなく。
りょうは少し大人びいて見えた。
まだ、別れて六か月絶ったくらいなのに・・・・。
どんどんりょうが近付いてくる。
どうしよ。
なんて話しかけよう・・・・。
そんな事を考えてるうちにりょうはもうすぐ前に・・・・・。
「あ、あのー、りょう? 」
ちょっと、控え目に呼んでみる。
「ん?・・・・・あ。」
少し沈黙が流れた後にりょうは気付いたみたいだった。
やっぱり、もう、忘れかけちゃったのかな?
そりゃぁそうだね。
「あや・・・・・だよね?」
「うん。」
「久しぶり。」
「うん・・・・・。」
あまりの久々のりょうの声に涙が止めどなく出てくる。
あたしって、こんなに泣き虫だったっけ・・・・・。
「あやって、泣き虫なんだね。」
そう言って、涙を指で拭ってくれるりょう。
そんなことしないでよぉ。