綾×綾。~空回りな恋~
「りょおぅー、そんなに優しくしないでぇー、涙、止まんなくなるぅーー。」
あたしはグズグズ泣きながら言った。
「泣き虫。」
それだけ言うと、りょうは指を離した。
「ありがと。 ・・・・・・・ヒック。」
あたしは顔を真っ赤にして答えた。
「じゃ、そろそろ行くね。」
「え!? 待って!!!」
あたしは思いもよらぬ言葉を言っていた。
あたしが今、止めてもなんにもならないのに・・・・。
でも、正直な事、真実をちゃんといっとこうと思った。
「あ、あたしね。こ、高校卒業したら・・・・・―結婚するの!!」
りょうがこっちに振り返った。
「え・・・・・けっ、結婚・・・・・?」
「うん・・・・・!」
あたしは頑張って言い切った。
なんか、すっきりした気がする。
「そっか、おめでとう。」
りょうはちょっと寂しげに笑顔を見せると、手を振りながら後ろを向いて歩き始めた。
「り、りょうの事っ!! まだ・・・・・ちょっと好きかもしれないけど・・・・・頑張るねっ!!」
あたしは精一杯の声で言った。
りょうはまた振り向いて
「それって、俺に言う事じゃないだろ。」
りょうはふっと笑った。