*きゃんでぃー*
「なんで一人の子に決めないの?可哀想じゃん。」
ずっと聞いてみたかったことを思いきって聞いてみる。
「だって‥本命の奴は俺に興味ないみたいだし。淋しいから他の子で埋めるの。」
「本命の子に一途になったらいいじゃない。そしたらその子も振り向くんじゃない?」
「はぁ‥‥‥。お前ほんとうといな。ま、いーや。いってきまーす」
うとい?!
なによ、それ。
「あたしのどこがうといのよ。」
1人になった教室でぽつんと呟く。
‥はぁ。もういいや。
今日はもう帰ろ。
荷物をまとめて学校を出る。
季節は冬。
息を吐いたら白くなる。
巻いているマフラーに鼻まで沈めてポッケに手を突っ込んで歩く。
いつものバス停に行くとちょうどバスが来ている所だった。
少し小走りでバスに乗り、いつもの座席に座る。
後ろから二番の窓側。
あたしはいつもここに座る。
なんだか分からないけどここじゃないと落ち着かない。