*きゃんでぃー*
「はぁー‥‥」
何よ、うといって。
きっといつものあたしなら、受け流しているだろう。
憎まれ口を叩かれるのなんていつものことだから。
だけどなんだかこの言葉は受け流してはいけない気がした。
ちゃんと考えなきゃいけない気がした。
「‥あ」
信号待ちのとき、ふと窓の外を見ると、翔大らしき奴と1人の女の子が見えた。
楽しそうにアクセサリーを見ている。
なんだか胸が痛くなって目を反らした。
なんで胸が痛む?
‥なんで胸が痛むの?
いつものことじゃない。
「‥‥‥っ」
あれ‥。
息が出来なくなってきた‥
やばい、どうしよう‥
「翔大‥っ」
あたしの記憶はそこで途絶えた。