あなたの腕まで、あと何センチ?

『言えてる。でもあれでも、年上の彼女にはベタ惚れらしいよ?』
『えっ?本当ですか?意外!』

と、キャッキャッしたら怒声が飛んできた。

『佐倉ー!そんな元気ならー!トイレ掃除行ってこい!』

『…はー…い。』

私は、そそくさとトイレ掃除に行く。



あっという間に、勤務の4時間は過ぎて、閉店時間になった。

『お疲れ様でしたー。』

『お疲れ様でーす。』

外にでたら、かわいい女の子が店の前に立っていた。

かわいー…と思った。

その時…。

『咲姫!?』

『奏矢!来ちゃった。』

これまた、かわいい声。

そして別人な、向坂くん。

『あ。奏矢がいつもお世話になってます。一ノ瀬咲姫と言います。』

ペコッと挨拶され、『どうも』とお辞儀してしまう。

『確か…佐倉響さんですよね?今年のうちの大学の、ミス葵之森学園大候補。』

えっ?

皆が、一斉に私を見る。
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