あなたの腕まで、あと何センチ?

ケーキやミルクティーの準備をしながら、視線を先輩にうつす。

携帯をうってる。

…凌にメール?と勘繰ってしまってる私。

できあがったものを運びながら、莉子先輩の元に行くと、『ありがとう』と笑いかけてくれた。

『彼氏とメールですか?』

わざと聞いてみる。

莉子先輩は、首を横にふって『親友だよ〜』と言ってきた。

長話もできないから、『ごゆっくり』と言って、その場を去る…でも、携帯が気になって仕方ない。



その日は、ダブルデートの事より莉子先輩が気になった。女友達が来ても、頭の中はいっぱいいっぱい。

向坂くんの、怒鳴り声も今日は上の空だった。



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