あなたの腕まで、あと何センチ?
終わった後に、向坂くんがポフッとタイムカードで頭を叩いてきた。
『おい、こらっ』
『あ。おつかれさまです…。』
『…どうした?お前、今日途中から変だったぞ??』
『…そうですか?』
向坂くんは、ふぅとため息をつく。
『なんかあったん?』
『えっ?』
『デートやっぱり嫌だった?』
『いえいえ。そんなんじゃないですよ。別の事で…ちょっと…。』
向坂くんの心配してる顔を見ると、話してみようかな?と思ってしまった。友達じゃないし…バイト先の先輩なら、少しは楽になれるんじゃないかって…思った。
その時、ロッカー室からでてきた梨華先輩が向坂くんに、『泣かせちゃダメよー!』と言ってくる。