あなたの腕まで、あと何センチ?
『泣かせてないですー。』
向坂くんが、膨れっ面になってる。私は、なんか笑ってしまった。
『佐倉?何で笑うんだよ!』
『だって…。』
『いつも怒ってるから、そう見えるよね~佐倉ちゃん。』
梨華先輩にそう言われるとそうかもと、また笑ってしまう。
『俺は、本気で心配して!』
顔が赤くなる向坂くん。笑う梨華先輩。
私は、なんだかホッとしたのか…涙がでてしまった。
その涙は、次から次へとあふれてくる。大きな雫が、私のカフェエプロンを濡らしていく。
『おい!佐倉!』
『佐倉ちゃん!?』
慌て出す二人。
『とまらない…どうしよ…。』
我慢してた糸が、切れてしまったみたいだ。