あなたの腕まで、あと何センチ?
『…私もまだ好きで、別れたくなくて…けどモヤモヤしてどうしようもなくて…今度のダブルデートで、踏み出してみようかな?って思ってるんです。』
私の言葉に、向坂くんはこう言った。
『なんか…ごめんな。知らなくて。』
『向坂くんのせいでも、咲姫さんのせいでもないですよ。けど、一歩踏み出す勇気をだせそうです…梨華先輩とか向坂くんに聞いてもらってスッキリしました…私が踏み出さなきゃなって。友達も、心配してるし。』
『私は、偉そうな事言えないけど、彼氏に言う事も大事だよ。』
梨華先輩が、タオルとアイスノンを持ってきてくれて、目を冷やしなって言ってくれた。
『好きが、一生続くと思ってました。バカみたいに、信じてました。』
私は、また泣いてしまった。梨華先輩も向坂くんも黙って聞いてくれてた。