あなたの腕まで、あと何センチ?
【好きでした。】
とある土曜日。
今日は、私と凌。向坂くんと咲姫さん。
4人のダブルデートの日。
遊園地のチケット売り場の前で待ち合わせ。
昨日の夜は、2人でクッキー焼いてパウンドケーキ焼いてフィナンシェを焼いて、かわいい籠にいれて持ってきた。
陵と手をつないで、向坂くん達を待ってる。
ちょっとだけ、向坂くんがどんな表情でくるか気になった。
あの日以来…3日ぐらいシフトが重ならなくて会えなかったから。
その時、咲姫さんが私達を見つけて、手を振ってきた。私も、大きく手をふる。
『響ちゃーん、久しぶりーっ!』
『咲姫さん、おはようございまーす』
『響ちゃんの彼氏さんですか?はじめまして。一ノ瀬咲姫と言います。こっちは彼氏の、向坂奏矢です。』
咲姫さんが、陵に自己紹介してくれる。