あなたの腕まで、あと何センチ?
『俺達は、休憩してるから行ってきていいよ~』
向坂くんが言うと、咲姫さんは『ほんとに大丈夫?』と聞くと、『大丈夫だよ』と聞いて私の手を掴むと『響ちゃん、あれに乗ろっ』と反対の手で指差した。
その先には…ブルーベリークリームタルト号。
水の滑り台を、タルトの形にしていて、とにかくかわいいけど怖いのだ。
待ち時間は、30分。ねずみの国とかよりは、待ち時間少なめだけど、この待ち時間はドキドキする。
その時だった。
『響ちゃん、今日は無理矢理ごめんね。』
咲姫さんが、突然申し訳なさそうに言う。
『えっ?全然大丈夫ですよ。楽しいし、気分転換になりますし♪』
『…よかった。奏矢にも怒られたんだけど…アイドルと言われてる響ちゃんと話したくて暴走しちゃったんだよね。』