あなたの腕まで、あと何センチ?
『別れな。』
スパッと、私のコイバナにメスをいれたのは、苑子。
『彼氏は、ただの偽善者。』
グサッ!私の心臓にメスが刺さった!
『響が、好きなのもわかるけど、傷つくだけ!』
『…わかってる。でも、まだ凌の事信じてたいの。苑子、いつも…ありがとね。』
私の言葉に、苑子はため息をついて、涙目の私のおでこをグーで押した。
『あんたは、馬鹿なんだから。』
『あーっ、苑子ちゃんがまた、響ちゃん泣かしてるぅー。』
私をぎゅーっと抱きしめて、突然愛里が現れた。
『愛里…いい加減、そのあまあまな声やめなさいよね。』
苑子が、ふんっと鼻息まじりに言った。
『苑子ちゃん、男はふわふわな甘い感じが受けるのよ。』
首を斜め30度ぐらいに傾けて、対抗して愛里が言う。
美人の代名詞が似合う苑子、かわいいの代名詞が似合う愛里、そしてアイドルの代名詞が似合う私(周りにそう言われる)の3人は、なぜか仲良し。
でも、毎日…苑子と愛里は衝突していたりする。