あなたの腕まで、あと何センチ?

でも、その時向坂くんは何か悟ったように、私に声をかけてきた。

『佐倉?大丈夫になったら、ストロベリータルト館でスイーツ食べてるから、来いよな。咲姫と、待ってるから。』

そういうと、アッサリ出ていった。

『…凌、バイバイ。今まで、ありがとう。本当に大好きだった。』

布団をかぶったまま、私はさよならを言う。

『…ありがとう。』

納得いかない声で、医務室を出ていった。

涙が、ボロボロ流れる。

好き…

好きだよ…

凌の事、好きなのに…

でも、許せない。

泣いて泣いて…深呼吸して、医務室で顔を洗って、窓の外を眺めた。

子供達の、嬉しい声が聞こえる。

カップルの、楽しそうな声が聞こえる。

今は、つらいし苦しいし悲しいし…でも、それが続く訳じゃない。

何回も何回も、言い聞かせた。
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