あなたの腕まで、あと何センチ?
なんか、ドキドキする。
何、この鼓動。
向坂くんの行動が、かっこよくみえた。
手をひいて立ち上がらせてくれて、私は顔がみれなかった。
『たてつけ悪かったんだなぁ。』
板や箱を拾いながら、ため息をついている。
『そうだねー…。』
なんか、受け答えもたどたどしくなる。
でも、その時向坂くんの腕に擦り傷があるのが見えた。
シュッ…。
『うわっ、びっくりした!』
私は、救急箱を棚からとって消毒液を、無言で向坂くんの腕に吹きかけて、脱脂綿でトントンとしてた。
『あっ、ごめんなさい。ケガしてたから。』
『佐倉も、すりむいてんじゃん。』
『だって、助けてもらったし。』
私が、大きい絆創膏をペタンと貼った。