あなたの腕まで、あと何センチ?
ちょうどその時、家に着いた。
愛里を先に家にいれて、私が靴を脱いでると、愛里が寂しげな声で言った。
『軽蔑した?』
『…ううん。…私も、今…なんというか…。』
言葉に詰まる。言った方がいいのか悪いのか…いまだに、葛藤してしまう。
『どうしていいのかわからないけど…。彼女もちの人、好きになっちゃった…それも、一線越えちゃった。』
『…やっぱりなぁ。響ちゃん、思い詰めすぎだよ。』
愛里が、頭がポンポンとなでてくれる。
なんか、ホッとしたのか自然に涙が流れる。
ポロっ…ポロポロポロ…我慢してたのか、あふれてくる。
止まらなくて、どうしようもない。