あなたの腕まで、あと何センチ?
だって、彼女がいる人に告白するって…好きっていうって…。

ふられる為に?わざわざ傷つく為に?

私は、困惑してた。

恋愛経験の少ない私には、初めての気持ちばかりで、頭の中がグルグルしてる。

『響ちゃんは、まっすぐなんだから割りきった恋はできないよ。隠れて会うなんて、気持ちがどんどん大きくなって、とめられなくなっちゃうよ。』

確かにそうだ。隠れて会って、人目を気にして、ばれるのにビクビクして。

『愛里は…どうなの?割りきってるの?割りきれてるの?』

だって、さっき寂しい顔してた。やっぱり、つらいんじゃ…。
私が思う気持ちとは、違う答えが愛里の口からは発せられた。

『私は、はじめから割りきってる。てか、最初から言われてる…不倫相手にならない?って。だから、ちゃんとわかってる…好きだったけど、一緒になれるならって、気持ち殺したの。』
< 66 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop