ずっと、ね(短)
ずっと、ね
空は真っ青に晴れ渡り、ぽかぽか暖かい太陽の光が降り注ぐ。
こんなお天気の日に部屋に籠もりっきりなんて、そんなのもったいない。
「那岐ー、やっぱりここにいた」
いつもの彼の声。芝を踏む音がだんだん近づいてくる。
目を瞑って寝ころぶ私の隣に、彼が座ったのが気配で分かった。
「こら、サボり魔、寝たふりしてんじゃなーいのっ」
「……悠里くんだって同類でしょ」
「俺は那岐を連れ戻してくるように言われてんの」
「じゃあ、さっさと私連れて教室に戻ればいいじゃん」
「じゃあ、さっさと立ち上がって大人しく一緒に戻ってくれる?」
--トサッ
隣に寝ころぶ音がして、私は思わず笑ってしまった。口先ばっかり優等生の彼はいつもこうして授業をサボるのだ。
私を口実に、狡い奴だ。
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