ずっと、ね(短)
結局、悠里くんは答えを言わないまま授業が終わった校舎に入ってしまった。
何がしたかったのか、何が言いたかったのか。私にはやっぱり分かんないよ。
昼休み、教室に戻ると彼の姿はなくて。席に座ると示し合わせたように怖い顔の女の子達に囲まれた。
「まだ、分かってないみたいね」
「……なにが?」
「さっきの時間、悠里くんと一緒にいたんでしょ!もう足引っ張るようなことしないでって、言ったはずだけど?」
あぁ、そうか。悠里くんがサボったら私に迷惑がかかるんだった。
「あー……今度から気をつけます」
金切り声でぎゃんぎゃん喚く彼女達から視線を逸らして、分からないように息を吐いた。
こういう人達は満足するまで騒がしとくのが一番だ。うるさいけど、下手に動くともっと面倒事になる。