ずっと、ね(短)





「うるっさいんだけど。騒ぐんなら別でやれよ」


教室でお昼を食べる人は少ない。私だけの日だって珍しくないような学校だ。

そんなここに、目の前の女の子以外の声が響いたのはビックリだった。


「なによ、」

「昼飯が不味くなるっつってんの。どっか行けよ」


悠里くんは絶対にしないような、ちょっと雑な言葉遣い。低くドスの利いた声。

誰だろ、彼女達が邪魔して見えない。


「……っ、とにかく、もう二度とないようにしてよね!」


私に向かってそれだけ吐き捨てると、そそくさと逃げるように彼女達は教室を出ていった。

その慌てた背中に、思わず笑いが零れる。本っ当、弱っちぃ。


やっと目に入った声の主に思わず目を見開いた。





< 12 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop