ずっと、ね(短)
彼は、西岡 要(かなめ)と言うらしい。
悠里くんとは小学校の時からの付き合いで、まぁ、私とは違うタイプの幼なじみってわけだ。
「西岡くんは、」
「要でいい」
「……要は、なんでこんなとこでご飯食べてんの?」
「俺もお前と同じ、あいつの被害者ってこと」
いけない、この人も悠里くんと同じだ。言ってることが理解できない。
「どうせなら、一緒に食べない?」
「ん?あー、そうだな」
自分で自分の発言に驚いた。
私から人を誘うなんて、もしかしたら初めての経験かもしれない。
悠里くんの友達だってだけでこんなに心を開けてしまうのか。
「ぅお、背ぇたかい」
「お前がちびっこいんだろ」
「“お前”じゃなくて“那岐”、です」
「……あぁ、悪ぃ」
厳つくて、無駄に背が高くて若干怖そうな要は、見た目によらず素直ないい子なのかもしれない。