ずっと、ね(短)
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「要ーっ!」
「……お前なぁ、もちょっと静かに声かけろよ」
「へへへっ」
朝、自称低血圧の要は後ろから体当たりした私を背中で軽く受け止めて見下ろしてきた。
相変わらず悠里くんとは顔を合わせない日が続いて、逆に要とはどんどん仲良くなっていった。
「また怪我してる」
「……あぁ、」
「喧嘩?」
「みたいなもん」
どうやら要は見た目も裏切っていないようで、この辺では少し有名な所謂(いわゆる)不良と呼ばれる部類の男の子らしい。
彼と喋るようになって、うるさかった連中が寄ってこなくなったのもよく分かる。
悠里くんと要が友達だなんて、誰が思うだろう。多分、そう言われても誰も信じないだろうな。