君と見た空。
ヒタヒタヒタヒタ。

やっとの思いで病院に着いた。


体全体が雨によってグチャグチャに濡らされて、

歩くたびに、裾に溜まっていた滴がポタポタと落ちてくる。


「あっ、茜。鈴木茜の病室って、、、

 何号室ですか!?!?」


ロビーに僕の声が響き渡る。

みんな一気にこっちを向いたが、

すぐに自分の世界に戻っていった。


「それよりもお体を拭いたほうが、「そんなの良いんです!!」

看護師さんの言った言葉に覆いかぶさるように、

僕の言葉が重なった。


茜の病室を聞きだした後、

また走り出してエレベーターに向かう。


今いるのは一階。病室があるのは7階。

ボタンを押して、時計を見つめながらエレベーターを僕は待った。



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