俺がこの空を見上げる意味

信じてる




灯世、俺は神は信じないって言ったけど、霊の存在は信じるし、来世も信じる。



だから、お前達がいつも俺達のそばにいるって信じてる。



確証ならあるぜ。



ここは敵に見つかってない。



そんなに奥まったところではないに関わらずだ。



お前らが護ってくれてんだろ?



だから、俺は空を見上げる。



もしかしたらお前らの顔が見えるかもだろ?



天から見守ってくれてんだろ?



俺からの人生の告白は済んだ。



さあ、次はお前達の番だ。



夢でも、遅けりゃ俺が死んでからでもいい。



思い出話をゆっくり出来たらいいな。



「おーい千歳、何やってんだ?」


「早く来いよ、晩飯できたんだから。」



俺は声をかけられた方に向き直った。



「はいよ。」



駆け出す。



「また千歳は空みて。
そんなに見上げてたら、灯世が照れて出てくるもんも雲隠れだ。」


「そんなことねーよ。」




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