俺がこの空を見上げる意味
その出会いをきっかけに、俺はたくさんの仲間を作った。
昨日までは会話のしかたすら知らなかった俺は、二人のおかげで社交的の奴に生まれ変わった。
あいつらのおかげで、今の俺があると言っても過言ではないくらい、奴らの影響は大きい。
すごく感謝している。
そして、そんな俺の前に、芦多。
お前は現れたんだ。
「今日からこいつも仲間になるからな、仲良くしてやれよ。」
そう言って政隆に連れて来られた芦多は、気味が悪いくらいに無表情だった。
政隆が心配そうに、独りでいる芦多を目で追っていたのを覚えている。
俺は、昔の俺を見ているようで、助けてやろうと思ったんだ。
「おい、芦多。
俺は千歳、よろしくな。」
芦多は初めて俺に会ったとき、なんて思った?
お前の目は俺を映してたか?
お前の目は、あんまりにも無感情すぎたよ。
だから、少し怖くなったんだ。
こいつ、可哀想だなって思った。
後から使われてた管轄で、虐待されてたって聞いて、さらに苦しくなった。
芦多、お前の目に俺は、どう映ってたんだ?
お前の目は、俺をただの“敵”と見なしてたように見えたんだ。