俺がこの空を見上げる意味
いつからだっけな、お前らが互いを意識してるって気づいたの。
結構最初のほうだった気がする。
芦多が灯世を見る目、灯世が芦多を見る目が、なんとなく大切そうに見えて。
これはヤバいか?と思った。
そして、お前らが周りに認められて、おおっぴらに寄り添うようになって。
俺の敗北は決定した。
ただの横恋慕だったけどな。
でも、嫉妬心はなかった。
と思う。
だって、灯世が惚れるのもわかったから。
お前は昔からずっと努力して努力して。
虐げられても、あからさまに邪魔者扱いされても、俺みたいに食って掛かったりせず、じっと我慢してた。
そして、実力を磨いてったんだ。
真剣に講義を受けて、手のまめがつぶれるほど槍をふるって。
俺が怠けて抜け出してる間、頑張ってた。
だから、素直に祝福したかったし、そうした。