俺がこの空を見上げる意味

だけど、灯世のそばにはいたかった。



贅沢は言わない。



ただ、話すだけでよかったんだ。



あの優しい笑みをみるだけで。



愛のこもった笑顔を横取りしたいなんて、思わなかった。



お前の幸せそうな笑顔をみると、うらやましいと思ったけども。



でも、その笑顔は俺達の誰一人としてみることのできなかった特別なものだとわかってたから。



その芦多の幸福を支えていこうって誓った。



だから、お前が遠征に飛ばされたときも、灯世の心の傷に付け入ろうなんて浅はかな考えは浮かばなかった。



『芦多様が心配なんです。』



そう言って泣いた灯世をみて、心が痛んだ。



二人には、幸せになって欲しかった。



これは誓って本心だ。