何度でも君を・・・
「んま、話はそれだけだから。雄輔には、俺が言ったこと黙ってろよな!俺が…殺されるかもしんねぇからなっ。んじゃ!はやく教室行かないとHR始まるぞ~」
そう言って藤井くんは屋上を去っていた。
なんか…藤井くん、結構明るく言ってたけど、大丈夫なのかな…。
まぁ、あたしがこんなこと心配してもしょうがないけど。
あ…雄輔と今日別れるんだっけ??
別れ話は…帰りでいっかぁ。
さてと…じゃぁあたしも教室戻ろっかな!!
「零ちゃん!瑠璃ちゃん!!はやく教室戻ろっ」
零ちゃんと瑠璃ちゃんは立っているあたしを見上げてきょとん、としている。
そして、瑠璃ちゃんが口を開いた。
「…なんでアンタ、そんな普通でいられるの?あんな話聞いたら普通、怖くなるもんじゃないの?」
こんな質問されると思ってなかった。
「えっ?…まぁそりゃちょっとは怖くなったけど…。なんか呆れちゃったし。雄輔にはなんかあると思ってたから。そんな驚きはしなかったんだ。」
「そっか…」
それきり瑠璃ちゃんは黙った。
…今考えると、あたしって男運ないのかな。
まぁいいか。
なんで雄輔のこと好きだったんだろう…。
考えてもきりないかぁ。
あたしはそこで考えるのをやめた。
「ほら、零ちゃん瑠璃ちゃん!行こっ!!」
あたしたちは屋上を後にした。
――――そのときは、普通に別れられると思ってたんだ。
でも雄輔は、そう簡単に、別れてはくれなかった。
あたしは知らなかったんだ。
雄輔の本当の素顔を…。