何度でも君を・・・



―――――…さっきから、無言。



別れをきりだすのって、難しいんだね。




雄輔は何考えてるのかわかんないし…。




あともう少しであたしの家に着いちゃう。




よしッ!!



「あのさぁ雄輔?」



「何??」


雄輔は笑顔で聞いてくる。




「あたしたちさ……………………別れよ?」



「え………………」



雄輔はその場に鞄を落とした。




「なんでだよ!?」


雄輔が叫ぶ。



イキナリ大きな声出すもんだから、ビクッとしてしまう。



でもここは冷静に。


「…あたし、もう雄輔のこと好きじゃないの。」



「なんで…あっ!お前…和哉(カズヤ)のこと好きなんだろ!?」


和哉とは…藤井くんのこと。


あたしはイキナリ藤井くんの名前が出てきたことにビックリした。




「…なんで藤井くん?あたし別に藤井くんのこと好きじゃないし」



「お前らさっき…目で会話してただろ?」


雄輔の声が低くなる。



…あれ、見られてたんだ…。



「俺は絶対別れない。一生…舞を離してやんないよ」


雄輔が…気味悪く、笑った。



また背筋がぞっとした。


けど…それじゃ、困るんだ。



「なんでよ…別れたいって言ってんでしょ!?」



雄輔の言葉にイライラする。


なんなの…


彼女が別れたいって言ってんだからさっさと別れなさいよ!!



「じゃぁ俺が納得できる理由を言えよ」



雄輔の目は、あたしが今まで見たことがない…冷たい目だった。



「…だからさっき理由行ったでしょ?冷めたの。」



「俺のどこが不満なんだよ?俺は舞のためにいつだって尽くしてきただろ!!!」



そう言って、あたしを壁に押し付けた。



キスされそうになって、慌てて顔を背ける。



こんな好きじゃない男とキスなんて絶対にしたくない…。





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