桜、月夜、愛おもい。
ジッと見つめてくる凛桜の瞳は、切なくなるくらい強い。
それでいて儚げで、不安を感じているのが分かる。
私はその瞳に誘われるように、震える唇を開いた。
「……わ、たしも…好き、っ…だよ…」
出てきた声は思った以上に小さく掠れていて、私は恥ずかしさに涙目になりながらも凛桜を見つめる。
彼はそんな私を見ると、クスクス楽しそうに肩を揺らした。
「…笑うな…」
素っ気なく呟いて睨むと、凛桜はこちらを見て、そのまま私の頬に手を伸ばす。
触れた指先が少し冷たくて、反射的に目を瞑った。
「だって…」
凛桜の呟きが聞こえ、閉じていた目を開く。
真っ直ぐに前を向いていた視界には、真っ白なシャツがあった。
視線を上にずらすと、優しく私を見つめる綺麗な微笑。
そんな表情にも、私の胸はキュンと反応してしまう。