桜、月夜、愛おもい。
次の日。
朝からリビングに咲菜と先輩と美樹ちゃんがいた。
私は思い切り顔をしかめる。
いや、昨日約束したんだから、いるのは当たり前なんだけど。
何故か私は、この三人がそろってることが、毎回不愉快で仕方ないのだ。
多分、この三人がそろうと、面倒なことがよく起こるからだと思う。
「見ていきなりその顔って、酷いわよ」
「ごめん。もう行くんだ?」
眉をしかめて言う咲菜に一応謝って、そう尋ねる。
お母さんはまだ起きていないようで、リビングにはいなかった。
「うん。ごめんね、朝早くから」
表情は申し訳なさそうだけど、その声色はすごく明るい。
それくらい、先輩とのデートが嬉しいのだろう。
すること済ませてるくせに、咲菜はいつもデート前はこの調子だ。