桜、月夜、愛おもい。
薄い緑色のカーテンを開ける。
途端に窓から眩しいほどの光が入ってきて、目を細めた。
数回まばたきをして、改めて外を見る。
上には青。それと真っ白な雲が少し。
すごくいい天気で、まさにお出かけ日和って感じ。
「よかった…」
私はそれを見て笑みを零した。
「お姉ちゃん。明菜さん起こして来たよ!」
窓のそばから離れてテレビをつけた時、美樹ちゃんが笑顔で入ってきた。
後ろには、まだ少し眠そうなお母さん。
「ありがと美樹ちゃん。お母さん、今日仕事は?」
美樹ちゃんにお礼を言って、それからお母さんにそう聞く。