桜、月夜、愛おもい。


お母さんはキョトンとした顔をして、「あっ、そう言えば今日は十時からだった!」と言って慌てて二階に戻った。



「美樹ちゃん、何か食べる?」

「ううん。朝ご飯食べて来たからいい」


そう言うと、美樹ちゃんは熱心にニュースを見始めた。

内容は、昨日この辺りを過ぎ去った台風の情報。
それと、この辺りの台風で受けた被害について。


当たり前だと思うけど、凛桜の木のことはなかった。


それに少し寂しさを感じながら、私は自分とお母さんの朝ご飯を作った。



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