桜、月夜、愛おもい。


「っっ!!?」


触れた瞬間、激しい頭痛がした。


内側からガンガン殴られているような、そんな感じ。

あまりの痛みに、呼吸さえもままならない。





ふと、何かの映像が頭の中に浮かび上がった。



にっこりと微笑むお父さん。

その隣りに立つのは、私に似ている女の人。


同じように、あたたかいまなざしで私を見つめている。



でも、次のシーンでは女の人はいなかった。

今目の前で泣いている女の人が、男の人の隣りに立っていた。



私はそれを黙って見ている。



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