桜、月夜、愛おもい。
「…奈津」
不意に、凛桜が私を呼んだ。
私は、何?と気のない返事をする。
「お母さんと、仲直り出来た?」
その言い方に、私は噴き出した。
まるで、つまらないことで友達と喧嘩をした小さな子供に言ってるみたい。
「くっ、ははっ!あははっ!」
おかしくて、笑いが込み上げる。
「なっ!ちょっと奈津?笑うなんて酷くない?こっちは心配してるのにさ」
凛桜が不貞腐れた声を出した。
それがあまりに子供っぽくて、私は更に声をあげて笑った。