桜、月夜、愛おもい。
凛桜が間一髪で支えてくれたから助かった…。
「奈津って見掛けによらず結構ドジだね?」
「うっ…うるさいなっ!」
しょうがないでしょ!
私、体育は筆記で点取ってるようなもんなんだから!
むーっと睨んでやると、凛桜はそんな私の視線を軽く無視した。
くっ…むかつく。
「そんなことより。大丈夫なの?今度の台風」
怒ってることをアピールする為に、ジトッと睨みながら、強めの口調で言ってやる。
青々とした葉っぱが頭の上でサワサワ揺れて、足下で木漏れ日が綺麗に光る。
凛桜の態度は、それと同じくらい爽やかなものだった。