桜、月夜、愛おもい。


凛桜が間一髪で支えてくれたから助かった…。



「奈津って見掛けによらず結構ドジだね?」

「うっ…うるさいなっ!」


しょうがないでしょ!

私、体育は筆記で点取ってるようなもんなんだから!


むーっと睨んでやると、凛桜はそんな私の視線を軽く無視した。

くっ…むかつく。



「そんなことより。大丈夫なの?今度の台風」


怒ってることをアピールする為に、ジトッと睨みながら、強めの口調で言ってやる。


青々とした葉っぱが頭の上でサワサワ揺れて、足下で木漏れ日が綺麗に光る。

凛桜の態度は、それと同じくらい爽やかなものだった。



< 64 / 163 >

この作品をシェア

pagetop